幅4mの南側道路を挟んで、すぐ向かいにアパートのある立地です。アパートの玄関がすぐ見える位置にあるため、窓の部分には日中でもなんらかの目隠しをする必要がありました。現在は視線が気にならない範囲にハニカムスクリーンを閉めて生活しています。障子のようにほんのりとした明るさが落ち着きます。
近頃は明るい部屋が人気ですが、昔の和風建築のように外の光を招き入れて徐々に暗くなっていく空間が私は好きです。谷崎潤一郎の陰翳礼讃(いんえいらいさん)を読むと日本の美的感覚について、いろいろ再発見することができます。
日中は屋内に人がいることが少なく、また昼でも照明をつけて生活することを想定していたので、照明器具の配置や機種の違いによる部屋の印象づくりについては入念に検討しました。
まず初めに図面上でシーリングダウンライトを基本にペンダントライト、ブラケットを配置して、CGパースで照度や色温度の大まかなバランスを確認しました。
CGでイメージを固め、カタログで機種を選択したうえで、実物や照度を確認するためパナソニックリビングショウルーム東京を訪れました。この汐留にあるショールームでは、カタログに掲載されている商品の実物を、ほぼ全て確認することができて、LDKや寝室などシーンに合わせた照明の効果を体験することができます。
実際に実物を見たり体験することで、自分がイメージしていたのと違う部分に気付くことができます。
事前に用意していた図面をもとに、変更した部分や決定しきれていなかった部分について打ち合わせをして、プランシートを作成してもらいます。
照明器具選定のコツ
照明器具の点灯の仕方による部屋の雰囲気の違いを、CGと実際の写真を並べて比べてみました。
光で遊ぶ
近隣の再生古民家の写真です。
点灯の仕方で変わる見え方